屋根のQ&A
新築 増改築 修理 トラブル
 
Q 気軽に頼める工事屋さんがどこにもいない。紹介してほしい。
A 全日本瓦工事業連盟(加盟業者:約4200社)に加盟している屋根工事店なら信頼できますので、お住まいの都道府県の組合に連絡してください。
  相談する時には、修理の個所や希望などをハッキリ伝えて、キチンとした見積りをとるようにしましょう。また工事期間や支払い方法など、分からないことは、どんどん聞いてください。あいまいなままですと、あとで、約束が違う等のトラブルになるので、今後とも日常的な屋根のメンテナンスをまかせても大丈夫なように、信頼関係を築いていってください。
Q 4〜5日間修理の職人さんが来る、10時と3時に何を出したらいいの。
A ご指摘のように、日本全国、地域によって様々な習慣や風習が残っているようですが、最近では、工事業界もビジネスライクになって、昔風の習慣も無くなって来ているようです。こうした習慣は、あくまで施主の気持ちの問題ですので、あまり気遣いをされなくても大丈夫です
  若い作業員の中には、かえって恐縮してしまう人もいますので、温かいお茶や、夏なら冷たい飲み物程度で十分でしょう。最近では、コンビニがどこにでもありますので、作業員の方は自由に行動しているようです。
Q 雨もりが止まない、どこに頼めば調べてくれる。
A 雨漏りというのは、実は大変やっかいなもので、瓦が割れたためといった単純な理由だけで起こるものではありません。外見上は、何の異常も見られないのに、雨漏りが止まないというご相談はたくさん寄せられています。雨漏りの原因は千差万別ですので、スグに専門の工事会社に頼んで下さい
  雨漏りの意外な原因として、例えば、2階の外壁にヒビが入って、そこから雨水が浸入したり、配線用の電線を伝ってしのび込んだり、瓦のわずかなズレによるスキ間から、毛細管現象によって天井裏に雨水が入ってきたり、プロでなければ分からないことがたくさんあります。中には、雨水ではなく、ネズミのオシッコだったという例も報告されていますので、屋根や家の構造材に影響を与えないように、早めに処理を行って下さい。
Q 雨もりは屋根からだけじゃないといわれた、本当か。
A 十分ありえます。考えられる原因もたくさんあります。雨水は、チョットしたスキ間があれば、どこにでも浸入して来ますから、プロの診断士にまかせてください。たとえば1階の雨樋いが、枯葉などでつまっている場合、外壁のわずかなヒビ割れからも雨水は1階の天井に浸入します。また2階のベランダの雨水処理がうまくいっていなかったり、アンテナの配線を伝っても雨漏りは発生します。
  こうした原因は、素人では絶対に分かりませんから、屋根に上って自分で判断する前に、屋根のプロの診断士に連絡して、キチンとした修理を行って下さい。
Q 雨もりのせいで野地板が腐っているといわれた、対策は。
A 屋根瓦の下には、防水用の様々な下葺材が使われています。古い工法では、杉の皮の上に土を敷いたりする土葺き工法が残っている場合もありますし、最近のように防水シートの上に瓦を固定したり、地域や時代によっていろいろです。
  野地板は、さらにその下ですので、これが腐っているとなると、ある程度大がかりな修理を覚悟しなければなりません。屋根の「もや」や「つか」、場合によっては、「はり」など、家を支える大切な構造材にまで影響を及ぼしているかもしれないからです。そうすると、屋根全体の葺き替えはもちろん、全面的なリフォームにまで発展してしまいます。
  こうした大事になる前に、台風のあとや大雨のあとには、メンテナンスの見回りを頼める工事店を確保しておくなど、家を守るための日頃の管理が大切です。
Q 屋根を修理しても雨もりが直らない、おかしいのでは。
A 「手抜き工事」を疑う気持ちも分からないではありませんが、雨漏りの原因は、屋根ばかりとは限りません。もう一度、その屋根工事業者に見てもらって下さい
  もしその業者が信頼できないというのであれば、信頼できる業者をを紹介してもらい、改めて屋根診断を受けて下さい。
  屋根の修理工事をしたあとに、別の業者(アンテナ取り付け業者、太陽熱温水器業者等)が上って、屋根を傷つけてしまうケースもよくあります。また、屋根は完璧でも、他の原因(外壁のヒビ、雑草、排気口等の不備等々)で雨漏りが発生することはよくあります。雨漏りは屋根瓦の破損とばかりキメつけずに、いろいろな原因をチェックしてみましょう。
Q 修理を頼んだら、全部変えろといわれた、信用できるか。
A 瓦の寿命はふつう一世代(30年)といわれています。親が建てた家を、その次の世代(息子や娘の時代)に葺き替えれば、木造住宅でも100年は十分に持つという意味です。普段の管理が良ければ、50年〜60年持つ瓦も少なくありません。したがって、屋根材の中で、瓦は最も長持ちする、経済性にすぐれた屋根材といえるでしょう。
  ご相談のケースは、瓦の割れた個所が問題ですが、瓦に問題があるというより、屋根の下地材が腐ったりして、その被害が屋根全体に及んでいるケースが考えられます。こうした場合は、瓦はそのままで使用できますので(一部の補充は必要)、下地の工事が中心になります。心配でしたら、業者を1社にしぼり込まないで、2〜3社の見積りを取って、別の見方(本当に葺き替えが必要かどうか)や意見を参考にすることも大切です。 
Q 5〜6枚の瓦の交換なので自分でしたい、注意する点は?
A お気持ちは分からないではありませんが、屋根の工事は、たとえ瓦4〜5枚程度の修理でも、素人にできるほど簡単なものではありません。厳格に言ってしまうと、国家資格(かわらぶき技能士・厚生労働省、瓦屋根工事技師・国土交通省)の必要な高度な技術を必要とする仕事です。第一、おっかなびっくり屋根に上ったとして、何かの拍子で滑落して大ケガを負ったりしたら、元も子もありません。ハシゴを掛ける樋カバーもなく、瓦屋根の上の歩き方も知らないまま動き回ったりすれば、5〜6枚で済むはずの瓦が、踏み割れなどによってかえって数が増えて、収拾がつかなくなってしまいます。
  プロにはプロしかできない、素人では踏み越えることのできない世界があります。専門の工事業者にまかせるのが、結局おトクで安上がり、きれいに仕上げる一番の安全策です
Q 30枚ほど瓦がほしい、小売りをしてくれる店を紹介してほしい。
A 残念ですが、当組合では、瓦の小売りはいたしておりません。理由の一つは、屋根瓦は工事と一体のもので、瓦工事業者を通じてお買い求めいただきたいこと、もう一つは、一般の方が瓦を手に入れてご自分で工事をした場合、安全に責任が持てないこと(結果として危険を増長させる要因を増やすことになること)等の理由によっています。
  日曜大工等がこれだけ普及してきますと、瓦屋根も自分でしたいという風潮が出て来ることは容易に理解できますが、お宅の屋根にぴったり合う瓦はどれが一番かといった瓦選びも含め、お近くの工事業者と一体となってご注文下さい。三州瓦では、ご希望に添える多種多様な高品質の瓦を用意しています。
Q ホームセンターでも瓦は売っていない、どこへ行ったら買える?
A 当組合では、ホームセンターなど小売店への卸や、直接消費者への販売等は行っておりません。すべて、屋根工事業者や工務店、ハウジングメーカー等を通じて瓦を販売しています。新築やリフォームはもちろん、修理の場合も同様にさせていただいています。
  屋根材としての瓦は、工事と一体であることと、安全性からの配慮等から、こうした措置をとらせていただいておりますので、ご理解をお願いいたします。
Q 温水器をつけたいが、屋根に影響はないか。
A 瓦メーカーの立場からの率直な意見を申し上げますと、瓦屋根にはできるだけモノを乗せて欲しくない、というのが本音です。モノによっては、瓦の持つメリットや性能(耐水性、耐風性、耐久性等)が損なわれることがあるからです。
  しかし、これだけ太陽熱温水器や太陽熱発電機が普及してきますと、そうとばかり言ってはおられません。時代の省エネ動向やお客さまのご希望を考えると、やむを得ない選択だといわざるを得ません。温水器業者は、全然問題ないというにきまっていますが、一つには、屋根の負荷重量が十分耐えられるだけのものになっていること、もう一つは、工事中に起きがちな瓦の踏み割りや瓦のズレなどがそのまま放置されることです。
  同じ屋根の上の工事業者とはいえど、瓦の専門工事業者と、これらの業者の間には、当然屋根に対する取り組みも違って来ます。温水器等の取り付けに当たっては、こうした事故(瓦屋根を傷つけるような行為)があった場合の対処法まで含めて契約を結ばれることをお薦めします
Q 瓦を数枚変えるだけで、一週間かかるといわれた、怪しい。
A 詳しい事情が分からないので、判断がむずかしい所ですが、工事を頼む時には、必ず次のような手順を踏んで下さい。
瓦屋根診断技士等の有資格者のいる優良工事業者で、キチンとした屋根の診断を受けて下さい。これらの業者は、瓦の破損状態はもとより、雨漏りの要因となる下表のような様々なチェックをしてくれます。(屋根診断だけなら、無料でやってくれる所が多いようですが、有料、無料の別も確認して下さい)
・診断で出て来た問題点の修理方法、工事期間、工事方法、見積り金額、支払い方法等について、見積書をとって下さい。(理想的には、2〜3社から相見積をとれれば、最高です)瓦屋根一枚の破損でも、屋根の構造材等に被害が及んでいる場合には、瓦の交換だけで済まないことも出て来ます。このため複数の見積りが必要です。
Q 修理の間、家具やカーテンはどうしたらいい。
A 畳替えやインテリアのリフォームと違って、屋根工事の場合は、よほどのことがないかぎり、室内の家具を移動したり、仮住まいをお願いするようなことはありません。足場工事や養生のために、ふだんの生活に多少ご不便をかけることがあるかもしれませんが、いつも通りの暮らしができますのでご安心下さい。
  どうしても家具を動かさなければならない工事の場合でも、工事業者に事情を説明して、お願いしてみて下さい。気軽に応じてくれるはずです。
Q 同じ瓦が無いので注文になるといわれた、本当に無いのか調べて。
A こうした場合の解決策では、次のような選択肢が考えられます。
・その瓦を作ったメーカーに手作りでも同じものを作ってもらう
・修理する部分の瓦を、目立たない部分(例えば建物のウラ側のほう)や見えない部分の瓦をはずして修理し、はずした部分には、同じような色づかいの瓦で代用する。(多少の色ズレは我慢する)
前者の場合はかなり費用がかさみますので、あまりお薦めできません。どうしてもというご希望であれば、当組合でメーカーをご紹介することができます。一般的には後者で十分だと思います。次回の全面葺き替えの時まで待って、一新するというのが無難な選択といえましょう。
Q 修理の時でも契約をした方がいいのか。契約書のサンプルを見せて。
A これまで簡単な修理などの場合、口約束だけで双方が十分満足が得られることが多かったようですが、頼むほうも頼まれるほうも初めてといった場合、どうしてもトラブルが発生しがちなことを見込んで、新聞記事が書かれたものと考えられます。
  とくにここ十数年、悪質業者が高齢者をダマして高額な工事料を請求する事件が多発したために、警告の意味も込めて書かれたものかもしれません。
  ご指摘の通り、理想を言えば契約書(工事請負契約書)を交わすことがいちばんですが、簡単な修理の場合は、見積書でも十分代用することができます。但し、見積書には、以下の項目を業者に明記してもらいましょう。
・工期(工事期間及び引き渡し日)
・仕様(工事場所・図面等で明記。工事内容)
・見積書(一式計算ではなく内訳を細かく記載してあるもの)
・支払方法、期日
・工期遅れ、追加工事等の場合の処理方法
・除外事項(上記見積りや文書に含まれない項目の明記)
もちろん、これらの事項をそのまま契約書にして、双方で署名捺印することもできます。
  これ以外にも第三者保障(工事業者が工事中の第三者への事故の手当てのための保険に加入しているかどうか等)などの項目をつけ加える必要もあります。いずれにしても、信頼できる工事業者を選べば、こうした心配をしなくても、安心して補修・修理を頼むことができます。
Q 修理の値段が大幅に増えた、どこに相談したらいい。
A 無料診断で見積りの中に、のし瓦や軒瓦のことを入れなかったのは明らかに相手のミスですので、契約を解除できる条件が揃っていますが、それ以外(瓦の交換と一部軒瓦の交換)については、契約が続行していると見做すことができます。
  ここで全ての契約を解除した場合、違約金を請求されることもあります。こうした場合、増額した工事金額の減額の交渉等をして工事を完了させる方法がありますが、どうしても納得できない場合、第三者に調整をしてもらう方法もあります。必要文書(見積書、契約書等)を揃えて相談して下さい。
Q この見積りの読み方が分からない、教えて。
A 工事の方法、作業員の日当等は、全国各地、それぞれの地域で千差万別です。送られて来た見積書を拝見しましたが、瓦の価格はさておき、判断はつきかねます。こうした場合の方法として、
・A社ならA社の見積り項目を仮設定してB社に再度見積りをしてもらう
・A、B両者以外の信頼できる地元業者(C社)に、A、B両者の氏名を隠して判定してもらうか、C社独自の見積りを出してもらう
等があります。いうまでもなく、工事は、見積り金額の多寡だけでなく、責任あるきちんとした工事内容が重要です。場合によっては、それぞれの業者が行った、最近施工済みのお宅の意見を伺ってみることも必要かもしれません。
Q 修理をローンでしたい、どこでやっている?
A 住宅金融公庫、銀行等の金融機関、クレジット会社等で行っています。全国共通の住宅金融公庫の場合、「長期耐用住宅工事(リフォーム)」の中に、屋根の葺き替え工事がありますので、参考にして下さい。
  但し、公庫の場合、年齢制限(79歳以下)、収入制限(毎月支払い分の5倍以上の収入が必要)等、各種の条件がありますので、各都道府県の受付窓口でご確認下さい。
  むしろここでは、悪質な業者が、クレジットを使って、毎月の支払いが少なくて済むといった商法を繰り広げていますので、安いからといった理由だけで飛びつくことは避けることです。屋根工事は、たとえ小さな修理であっても、長期の耐久性という「品質」が第一です。くれぐれも品質中心にお考え下さい