屋根のQ&A
新築 増改築 修理 トラブル
 
Q 契約を解除したい、どうしたらいいか教えて。
A ご相談の件は、おそらく訪問販売の件でしょうが、クーリングオフがききます
  特商法第9条には「書面により契約の解除を行うことができる」と書いてありますが、口頭(電話)によるクーリングオフも有効と認める判決もでていますので、裁判に持ち込むまでもなく、契約は解除できます。
  但し、文書で契約解除をしたいむねを書いて、書留または配達証明で相手先に送って下さい。訪問業者の営業マンの中には、クーリングオフ制度や特商法についての知識が皆無で、おどし口調で根拠のない話(いま解除すると違約金が半分とられるなど)をする人間もいますので、ご注意下さい。仮に業者が応じない場合は、専門のトラブル処理センターがありますので、ご相談下さい
Q 工事が始まったら解約ができないといわれた。本当か。
A リフォーム工事に限らず、契約行為というのは、双方の責任を伴います。相手側が契約内容に違反したり、法律行為に反しないかぎり、どんな契約であっても、解約する場合は、違約金等を支払わなければなりません
  契約書を取り交わしていなくても、口答で工事をお願いしたのであれば、契約が成立したと見なされますので、今後は工事が約束通りきちんとなされているかどうかを見守ってください。仮に相手が訪販業者であったり、明らかにズサンな工事であったりした場合は、法律での救済措置がありますが、それ以外の場合は、設計事務所の方がいう通り、「極めてむずかしい」ものになるでしょう。したがって、契約(工事の依頼等)をする時は、慎重の上にも慎重を期すことが大切です
Q クーリング・オフの書式サンプルがあったら教えてほしい。
A ご自身で業者を呼んだのでなければ、また契約日から8日以内であれば、クーリングオフの対象となりますので、契約書に記入している方の名前で下記のような文書(はがきよりも封書)を相手先に送ってください。
  またクレジット契約になっているようでしたら、クレジット会社にも同趣旨のものを送ってください。
  文書はそれぞれ3通(計6通)必要となりますので、コピーしてから印鑑を押します。文字数等の規定は、郵便局で教えてくれます。配達証明は、小さな特定郵便局では扱っていませんので、本局に行って手続きをしてください。
契約解除通知(申込撤回)

<差出人住所・氏名>
   県   市   町   丁目   番地
氏名                印  

<相手の住所・会社名・代表者名>
   県   市   町   丁目   番地
会社名  株式会社○○屋根工事工業      (代表者名)      

<本 文>
平成○○年○○月○○日に、貴社訪問員○○○○氏に勧められて
締結しました工事委託契約(価格215万円)の契約を解除します。
つきましては、契約に際して支払いました初回金○○万円也は、
直ちに○○銀行○○支店普通預金○○○○○○(口座番号)に
振り込んで下さい。
平成   年   月   日
 
Q クーリング・オフは、屋根の工事でもOK?
A 屋根工事や外壁の張り替え工事は、「特定商取引法」(旧訪問販売法)の規制対象ですので、クーリングオフ(契約解除)をすることができます。
  但し、その契約が訪問販売を受けた契約であること、契約後8日以内であること等の条件がつきます。この条件を満たす場合であれば、違約金や材料費等を一銭も払うことなく(しばしば業者は、いろいろと口実をつけて請求してくるようです)、通知するだけで契約を解除することができます。しかし上記の条件(訪問販売ではない、8日以上経っている等)を満たしてない場合は、別の解決方法を探らなければなりませんので、ご注意下さい。
■特定商取引の対象商品
   特定商取引とは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ)、特定役務提供(エステ、語学教室など)、業務提供誘引販売取引(アルバイト)、ネガティブ・オプション(商品の一方的送付)の7種をいいます。それぞれの取引の指定する商品、権利、役務等は多岐にわたります。
Q 悪質業者の見分け方教えて。(この業者を調べてほしい)
A 平成10年〜12年の3年間に、同センターに寄せられた訪販リフォームの苦情18,573年のうち、屋根工事に関するものが44%、外壁工事に関するものが28%で、両方合わせて72%、他のリフォーム工事(浴室など)に比べ、圧倒的に多いという調査です。
  この調査によると、契約書通りに工事が実行されない、料金が異常に高い、勧誘の仕方が強引など、いわゆる悪質商法の事例が報告されています。リフォーム工事は、建築確認申請など行政のチェックを必要としないこと、建築士など国家資格を必要としないために、誰でも自由に参入できること等から、悪質な業者が、訪問販売等の方法で、90年代以降数多く工事業界を踏み荒らしたため、こうしたトラブルが増えたものと考えられます。
  このデータは、「訪問販売」による苦情のデータですので、トラブル件数も自然に多くなっています。センターの話では、一時に比べれば減って来たようですが、まだまだ安心できないとのことですので、注意して下さい。悪質業者は、勧誘が強引、契約を急がせる、価格の割引を必ず言う、説明にウソが多い、訪問販売といった特徴を持っていますので、どれか一つでも引っかかる場合は、断固として拒絶する勇気をもちましょう。信頼できる業者は、必ず近くにいますので、良心的な業者選びを心掛けて下さい。
Q 契約書に印をついたら、半額振り込めといわれた。おかしい。
A 契約書、あるいは見積書の中には、必ず支払い条件という項目が書いてあるはずですから、あなたがそれを了解しているなら、支払わなければなりません。支払い条件は、業者によって千差万別ですが、工事が全部済んでから支払うというのは、必ずしも「ふつう」とはいえません。工事が長期にわたる場合は、契約時、中間時、工事終了時の3回に分けたり、1週間程度の修理の場合は、2回に分けることがふつうに行われていますので、あなたの場合は、特別おかしいとはいえません。
  むしろ、悪質な訪販工事業者がよく行う、契約時の高額な一括請求や、1日コーヒー1杯程度などといって、クレジットを組んで、ふつうよりはるかに高い工事費を、一見安く見せる商法のほうに問題があります。
  なお、心配でしたら、工事終了後に、約束した通りの工事がされているかどうかをきちんとチェックして、納得が行ってから残金を支払うような工夫をされたらいかがでしょう。
Q 出来上がった瓦の色が微妙に違う、工事のやり直しはできるか。
A 瓦は日用品や家具と違って、スグ買い替えることができない長期(およそ30年以上)に長持ちする商品ですので、商品選びは慎重の上にも慎重な姿勢が必要です
  ご相談のケースは、残念ながら2つのミスを犯しています。一つは瓦選びの段階です。実物のサンプルを見ないで決めたということですが、業者に強く言って、実物のサンプルを何種類か取り寄せてもらい決めるべきでした。実際の瓦の色は、微妙な質感の違いや釉薬の具合によって、あるいは晴れの日と曇りの日では、色が違って見えたり、印刷物では分からないケースがあり得ます。いったん注文してしまうと、業者はその瓦を大量(1000枚単位の必要枚数)に仕入れてしまいます。この時点で業者には何の落ち度もありません。2番目は、工事代金の支払いです。契約上、工事代金をすべて支払ったということは、あなたがOKを出したのと同じです。支払い前であれば、値引交渉などの方法がないではありませんが、それもできません。この点でも業者には何のミスもありません。残念ながらこの結果を受け入れるしかないでしょう
Q 契約書をよく見たら「屋根工事一式」としか書いてない。どうしたらいい。
A お手元には別に見積書があるはずですから、それをご覧下さい。見積書にも「工事一式」としか書いていなければ問題は大ありです。改めて業者に詳細な内訳書を出すよう連絡して下さい
  もし仮に、「工事の内容は、素人にはむずかしくて分からないから」等と言って、のらりくらりと逃げ回るようでしたら、事態は深刻です。第三者の調停機関に相談して、仲介を頼むことが必要になってきます。
  また、内訳書がキチンと届いた場合は、理解できない所があったら、率直に訊ねて下さい。いずれにせよ「あなたまかせ」がトラブルの原因になります。
Q 田舎の高齢の母が高額の工事契約にハンを押してしまった。
A 断言はできませんが、いわゆる「見本商法」によく似ています。高齢者が屋根の上をチェックできない点につけ込み、無料点検と称して屋根をビデオ撮影しているフリをして、別に撮影した損傷のはげしいビデオを見せて不安を募り、契約をさせてしまうやり方です。契約をした本人は、「親切な工事屋さん」などと思ってしまいがちなので、契約の取り消しなどにかえって時間がかかることがよくあります。
  ご相談のケースがこうした場合にソックリな場合、お母さんを説得して、第三者に仲介を頼んで下さい。クーリングオフの期間が過ぎていたりすると、話合いによっても手付け金が返って来ないこともありますが、被害を最小限に止めることができるかもしれません。
Q いまなら工事代金半額サービス期間といわれた。信用できる?
A まずその業者が「全瓦連」あるいは「(社)日本訪問販売協会」の加盟店あるいは会員であるかどうかを調べて下さい。
  いずれにも該当しない場合は、要注意です。またインターネットのリフォーム・ネットをクリックすると信用のおける業者の見分け方が掲載されていますので、それらもチェックして下さい。
  工事のトラブルの殆どは、しかるべき業界団体に加盟していない業者が起こしているという国民生活センターの調査もありますので、ご相談のような「甘い話」にはのらないほうが懸命でしょう。
Q 屋根の「無料点検」を受けたら請求書が送られて来た。
A 悪質業者の手口がどんどん巧妙になってきて、こうした事例も2〜3ではないようです。トラブルに巻き込まれるのは誰でもイヤなので、消費者相談センターに頼んでも、結局示談になって半額程度で折り合うことになるようです。業者のほうは、最初からそれが狙いですので、屋根工事に限らず無料相談や半額サービスなどというセールス手法を看板にしている話には、絶対にのらないで下さい。
  ご相談の件は、法律スレスレのケース(相手にそれなりの口実を与えてしまっている)ですので、住宅紛争処理支援センターに相談してください
Q 隣の屋根工事をしている業者から、お宅の瓦も壊れているといわれた。
A いわゆる「見本工事商法」に似ています。見本工事商法とは、近くで工事をやっている、モニターになってくれれば特別料金で工事できるといって、その日のうちに契約を急がせるやり方です。
  特別料金、あるいは30%引きが安いかどうかは、地元の業者2〜3社から見積りをとって比較してみなければわかりませんが、契約はそれからでも遅くありません。いずれにしてもこのケースは、特定商取引法(旧訪問販売法)の対象になりますので、トラブルにまき込まれないよう注意して下さい。
Q まちのモニター制度に応募したら、業者が次々に訪ねてきた。
A 情報化社会の進展とともに、残念ながら、全国で同様の出来事が増加しています。結論からいえば、あなたの氏名、住所などの個人情報が、訪販業者に知られていることはたしかなようです。必要のないものはキッパリと断りましょう
  むしろ、これから気を付けなければならないのは、二次的な被害を防ぐことです。「リフォームや屋根の無料診断」、「工事後の施工写真の雑誌掲載を許可してもらえば、工事金額は半額に値引き」、「創立キャンペーンで30%引きに加え、今日契約してもらえばさらに15%値引き」など、悪質な訪販業者の売り込みは、どんどん巧妙になっています。
  悪質業者の中には、無料診断を装いながら、自分で瓦を壊して、「屋根が大分傷んでいますネ」といったケースも報告されています。信頼できる地元の業者にメンテナンスをまかせ、何かあったら「○○さんに頼んでありますから」というような対応ができるようにしておいて下さい。
Q 床下に雨水がたまっている、雨もりのせいだといわれたが本当か。
A 建物の内側の地盤面は、本来外側よりも高くしなければならないものですが、水が引かない所を見ると、この地盤差が逆転しているとしか考えられません。追加工事等で、建物の周囲に犬走りなどをつくると、貫通孔との段差が小さくなり、大雨の時など雨水が浸入することがあります。ともかく放置してはおけませんので、臨時の排水口をつくり水を除去して下さい
  外からでは見えないような雨漏りが原因となる場合もゼロではありませんので、大至急お近くの屋根工事店の専門家の診断を仰いで下さい。日当を請求されるかもしれませんが、この際いたしかたありません。ともかく雨水は、家の健康にとっても、ご家族の身体にとっても百害あって一利なしですので、早急な対応策が必要です。
Q お風呂のリフォームを頼んだ業者が、屋根も必要といわれた。
A もう少し詳しいお話を伺わなければなりませんが、いまあちこちで「次々販売商法」というのが問題になっています。最初は少額の修理を行って、相手を見ながら、次々とリフォームをすすめる悪徳商法の一つです。
  ご相談のケースは、形は大変似通っていますが、本当にお宅のことを心配してのアドバイスかもしれません。高額の契約をする前に、必ず次の手順を守って下さい。
・その業者が地域で何十年も営業していて信頼できるかどうか(資格を持った技術者がいるかどうか。近くで施工した例があるかどうか等)詳しく調べる。
きちんとした見積り(金額、工事場所、内訳、工事期間等を明記したもの)をとる。
・契約に当たっては、契約書、契約約款、図面、仕様書等が、揃っているかどうかチェックする。
こうした手順を踏んで、大きな問題がなければ合格です。工事価格は、そのお宅ごとに違いますので、高い安いは一概に言えません。できればあと2社ぐらいから見積りをとって比較してみて下さい。
Q 何度断ってもセールスが訪ねてくる。何かいい方法はないか。
A 女性や子どもの居る時間をねらって、こうした恐喝まがいのセールスをする悪徳業者が全国で横行して、瓦メーカー、工事業界はともに迷惑しています。
  こうした行為は訪販法に違反しているだけでなく、各自治体が制定している「迷惑条令」等にも明らかに抵触します。警察沙汰にするのはあまり望む所ではありませんが、近くでも同様の行為をしていると思われますので、交番や駐在等に相談してみて下さい。ちなみに、屋根の補修・修理が、いまの時代、わずか数千円でできるはずがありません。
Q 家を新築しているところですが、業者の方が「うちは住宅性能保証制度に加入している業者だから、品確法までは必要ない。」といっていました。何がどう違うのかを教えてください。
A 住宅が設計図の通りきちんと建ち、その後の修理が必要となったときに、何年間保証してくれるかという答えに対応する制度には2種類あります。制度の名前がよく似ているので、間違わないようにしましょう。
A住宅性能「表示」制度(カギカッコは当回答者がつけたもの)
B住宅性能「保証」制度(カギカッコは当回答者がつけたもの)
  「表示」と「保証」のたった2文字の差ですが、両者は大きく違います。
  「表示」のほうは、平成12年(2000年)4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」に基づく国の制度で、しかるべき住宅性能評価機関が、工事から完成までを検査して、その家の性能を評価し、表示するものです。この評価住宅には基本構造部分(屋根も入ります)について「瑕疵担保期間が10年」と義務づけられていますので、安心して高い品質の住まいに住むことができます。
  一方、「保証」のほうは、民間の(財)住宅保証機構が自ら検査するもので、瑕疵担保責任については、一部保険加入によって担保するものです。「保証」は、建築途中で工事業者(工務店当)が倒産した時など、別の業者に引き継いで住宅を完成させる保証を行うなど、これはこれで品確法とは別の大切な役割をしていますので、この制度に加入している業者は安心していいでしょう。
  但し、ご相談の件の業者の話しはちょっとマトはずれですので、もう一度上記財団等に問い合わせてください。