概論(未整理) 1050 財産はもともと預かりもの、社会の利益に反するような財産の使い方(自然破壊など)はできない 1994年  メモ
 "個人の欲望と社会の利益
・ゴルフ場建設により自然が破壊される問題を考える。
個人が自分の財産をどうしようと勝手であろうか?
財産はもともと預かりものであって、自分の生命の維持と社会の貢献のためになるように使うべきものではないか。
公共機関は上記の問題を仲裁する機関ではないか。
<参照>カトリック教会公文書「地上の平和」国家と個人。"


概論(歴史的考察) 1140 "環境問題の歴史的区分(1950〜1970年)
参考:高度成長から公害反対運動へ" 92.1  92国連ブラジル会議市民連絡会   "水俣からゴルフ場へ
 ◎第一段階──公害問題の深刻化と住民運動の発生──
           1950年代末から20年間‥‥高度成長
 公害を発生させる構造
 @民間設備投資を優先させ、環境保全投資を省略
 A資源浪費‥‥環境破壊型の重化学工業中心の産業構造
 B東京・大阪・名古屋の三大都市圏にに経済力と人口が集中
 C自動車中心の大量輸送システムの確立
 D大量消費生活様式の普及と大量廃棄物を出す生活様式
 E企業への忠誠が基本的人権より優先される
 起ってきた公害
水俣病
イタイイタイ病
四日市喘息
大気汚染(スモッグ)
  大阪市ではスモッグ発生日数156日に
  (最汚染地域ではSOは1日平均0.3PPMを超える)
水汚染・騒音・悪臭・地盤沈下
公害反対運動の二つの流れ
<1>公害裁判→賠償・公害対策‥‥公害行政の転換を進めた
<2>革新自治体による環境基準の見直し
 ‥‥三大都市、地方の首都の市長が環境保全の革新派に
 (60年代後半〜70年初頭)
東京都公害防止条例
 ‥‥政府はきびしい規制を違法として撤回を迫る
 基本法を全面改正
 基本法・従来型‥‥産業と生活の調和(調和論)
      ・改定型‥‥生活環境の保全を優先
 国際的にも整備された法体系が生れた。
概論 日本市民の「地球憲章」と「行動計画」 92国連ブラジル会議への提案 環境問題を考える際の基準です
 私たち日本の市民は、私たちの生活が第三世界の人々の生活を圧迫し、地球環境を追いつめている事実を正確に理解し、今後21世紀を生きていくについての「私たちの心」、「私たちの方法」を提示して、今後の生活と行動の指針にしたいと考えます。

■地球環境の危機

 地球環境の危機が迫っています。人類が成長し、開発が促進される事によって人類の基盤たる地球が、追いつめられています。現在の地球環境の危機は、過度な物質中心主義、すなわち「もの」の価値を不当に重視し、人間にとってのもう一つの価値である「こころ」、「精神」の価値を過小評価する事によって生じています。
 産業革命以来の人間の生産活動、とりわけ以下の諸活動によって環境危機が生じています。
@再生不可能な天然資源(石油、金属原料など)の有限性を考慮しない採取。
A再生可能な天然資源(木材、動物資源など)の自然更新力の限度を超えた採取。
B生産過程と生活におけるエネルギー資源の環境への影響を考慮しない大量利用。
C生産過程における有害廃棄物の大量かつ不適切な排出。
D生態系を考慮しない大規模技術、大規模土地開発。

■南北問題

 現代の人間社会は、歴史的な経過のもとに物質的に「富める社会」と「貧しい社会」、あるいは「北の国」と「南の国」とに大きく二分されています。これらの二つの社会は、異なる文明、異なる価値観を持っていますが、この地球においては、一つの人類社会を形成していく責任を負っています。しかし、物質中心主義に加重する「北の国」が、物質的価値をより求める事によって地球環境を圧迫し、危機に陥れています。
 この意味で、北の国は地球環境危機に対する責任をはっきりと自覚せねばなりません。 物質的に富める社会である日本に住む私たちは、なによりもまず自らの浪費的な生活を改める事に努力すると同時に、私たちの物質的欲望によって追いつめられている「南の国」の人々に対して助力を惜しまず、同じ地平に立った新しい生き方を模索せねばなりません。

■生命系が共存する地球

 私たちが生きている地球は、太陽からエネルギーを受けて地表に蓄え、余分な熱を宇宙空間に捨てるという大きなエネルギーの流れの中に存在しています。地球の表面に誕生した生命系は、このエネルギーの流れを利用しながら、数十億年をかけてさまざまな植物、動物の種を増やし、共同で地球の穏やかな環境を整えてきました。
 人類は他の生物と同じように地球上の生命系の仲間と共存する事によってのみ、生き続ける事が出来るのです。人間の利益のために、他の生物種を滅ぼしてはなりません。

■人類の一体性

 地球上には多くの文明があり、人々はさまざまな制度を持つ国家に別れて生活していますが、生物的には単一の種です。固有の文化と価値観を持っていても、基本的な倫理は変りません。富める社会と貧しい社会が存在している現状を直視してその不公正を解消し、また地球環境を良好に維持するために、それぞれの独自な個性を尊重しながら共同の努力を払わなければなりません。
 ある時代の人々が国境を超えて平等であるだけでなく、人類社会の歴史の中で私たちは祖先から受け継いだ資産を未来の社会の担い手である子孫へ引継ぐ使命を持っています。自ら出した有害廃棄物を他国に押しつけてはならないように、現在の負債を未来の人類に負わせてはなりません。

■精神的な価値の重視

 私たちは近代の文明が物質的な豊かさを重視して、精神的な価値を軽視し過ぎていると考えています。物質中心主義の価値観は大量生産、大量消費の社会を正当化し、経済的な利益のために環境破壊を黙認するばかりではありません。環境と調和する生活様式や自然観を遅れたもの、役に立たないものとして軽視する原因となっています。
  しかし、地球上の生命系の共通性、生物の多様性の重要性などは物質中心の価値観では説明しきれないものがあります。私たちは生物的な感性や瞑想的な洞察によって得られる精神的な価値の重要性を再認識し、それをより豊かなものへと発展させる事が出来ると考えています。

■平和の追求

 ひとたび戦争が起れば、環境の保全、人類としての平等、公正さなどはすべて失われます。世界中の国家は、地球環境の保全のためにも平和の維持に努力しなければなりません。
 また、戦闘状態でなくても軍備の増強、軍事体制の維持に使われている労力と費用は莫大なものです。軍事費を削減して、地球環境保全と生存のために援助を必要としている人たちにその財力を使うべきです。

■民主主義の徹底

 地球上のあらゆる人は、自分に関わる事実についての「情報」を入手できる権利を有します。自分に関わる事実、自分の属する社会に関する事実、そして地球の関する事実についての情報を入手できる権利を有します。
 そして、さらに重要な事は、自分の事、自分の社会や国家の事、そして地球の事に関する「決定に参加する」権利を有します。人は参加する事によって知覚を得て、人間としての主権を発揮できるのです。したがって、地球環境保全と平等な地球社会を実現するためには、「情報公開」と「参加」を保証する民主主義の確立が不可欠です。

■「開発」についての新しい概念

 私たちは、「環境」と「開発」との矛盾を乗越え、21世紀への持続的な社会を実現するため、新しい生き方、新しい価値体系、新しい経済・社会システムを見つけねばなりません。そのような社会システムでは、次の二つの矛盾が重要になるでしょう。
@北の国、南の国のいずれの社会においても、自分が生きていく物質的条件、すなわち衣食住や水などの生活に必要な物資は、できるだけ遠くから運ぶのではなく、自分の地域での「物質循環」を心がけて、無自覚に空間的・時間的に遠い他の環境を破壊してはなりません。
Aまた、私たちは単に自分の物質的生命を支えるために生きているのではなく、他の人たちや他の生物とのつながりを自覚する「精神循環」は偏狭な地域にとどまること無く、広域的・地球的な循環が求められています。

■教育の役割

 これからの地球社会を生抜くには、これらの「自分と他の民族との関係」、あるいは「自分と地球環境との複雑多様な関係」を単なる知識としてではなく、精神的な喜びや悲しみといった感情を含めた実感として理解できるようになることが大切です。
 そして、一度その知見を得たからには、その内容を同時代の他の人々と次の時代を担う若い人々に伝えていくことが重要です。 この意味で、あらゆる機会をとらえて環境教育、開発教育、平和教育をより活性化していくことが求められています。

■北の国の人たちへ

 日本を含む「北の国」の「政府または自治体」、「企業」そして「市民」は、自らが地球環境破壊の大きな原因となっていることを自覚し、たとえ現在の消費水準を大幅に低下させたとしても、その生活様式、経済構造の抜本的な変革に取組まねばなりません。
 市民は、その生き方とライフ・スタイルの変革に努力し、企業は製品価格に環境保全のコストを正当に反映させて浪費的な社会構造を改革する姿勢を貫き、そして政府・自治体は環境保全に先導的な役割を果すと同時に、社会のさまざまな人たちが互いに協力するためのルールを定着していかねばなりません。

■南の国の人たちへ

 南の国の多くは、16世紀に始る他国による過酷な支配と資源収奪の結果、今に続く困難な生活を強いられてきました。自らの生活を維持するため、時としてかけがえのない自らの環境をも売渡さねばなりませんでした。
 この意味で南の国の人々は、北の国の人々に比較して、未だ「開発」に関する権利を十分に保有していると考えられます。 しかし、私たちは南の国の人々が、ただいたずらに「北の社会」、すなわち多量な物質消費を前提とする社会を目標にするのではなく、自分達の伝統的な文化を基礎に、新しい独自の未来を築くように提案します。

■日本市民の決意

 私たち日本の市民は、地球環境を保全し、世界のあらゆる民族が相互自立的に生きられる新しい地球社会を実現するため、ここに改めて覚悟を表明して、21世紀へと続く具体的行動の出発点にしたいと考えます。

<21世紀への行動計画、日本>

■市民の責任と役割(グローカル・アクションを参照)

□生活水準の全般的低下:資源:生産:流通:消費:破棄:排出:温暖化
□エネルギー使用
□国際協力:アジアの人々との連帯と模索

■自治体の責任と役割

■企業の責任と役割

■政府の責任と役割

□国際金融、国際貿易、多国籍企業、構造調整
□第三世界諸国:資源流出と対外債務
□政府援助:経済援助、技術援助

■国際機関の責任と役割


Home